主人公の絶対的なものは親の遺産ではなく、自分の美しい顔だった。それを振った女に無理心中を起こされ、その後二目と見れない顔に。人によっては絶対的なものは様々だが、それを失った時の気持ちを思うと、身を切られるような思いだ。しかも真に愛する女を知った時に。はじめに鏡に映った顔を見て自己満足するシーンと、事故後に酔いつぶれて路上に突っ伏すシーンの対比が残酷だ。このテーマは人間の本質に迫ると思う。故に深く心に突き刺さり、忘れられない映画に。
悪夢の恐怖おすすめ度
★★★★★
「オープンユアアイズ」はスペイン映画で1997年の作品。監督のアルハンドロ・アメナーバルは、25歳だったらしい。
年齢を聞くとう〜〜ん天才と思ってしまう。
怖いと言うか現実と夢との境目のない不安定感をあますところなく伝えていて、くすりとも笑うところのない浮遊感。
悪夢ってのはこう言うのなって恐怖。
しかも主役はドハンサム。彼はエドワルド・ノリエガっつーらしいが、いや〜美形。無条件降伏の美形です。
奴が金と女に不自由しない遊び男を演じてても、説得力があって何の不思議もないって感じ。
んで、このときのペネロペ・クルスが非常にかわいい。美しい。妖艶。
ノリエガ演じるセサールが無理心中を図られて顔がぐちゃぐちゃになるんだけれども、そのぐちゃぐちゃさと元の顔のギャップがまた映画的。美しい。
全体的に(映像的にも)かなりの完成度と思われ。
あの浮遊感が気持ち悪いときはダメだろうけどさ。
世界観は「マトリックス」なので、押井守でF・K・ディックですが、もっとシャープである意味冷たい映像なので、それらよりずっともっと爽快感がある。怖かったんだけどね。
ただの夢落ちをここまですごいものにした才能に完敗おすすめ度
★★★★★
夢落ちという言葉が存在するように
実は夢だったという話しはもう使い古された古典的な手法であるし
しかも若手の弱冠25歳の監督(脚本・音楽とかかなり兼任してる)で低予算で登場人物もやたら少ない
しかし、これがとても面白いからビックリ
トムクルーズがリメイク権を獲得した理由がよく分かる
劇中幾度となく繰り返される「目を覚まして・・・」という言葉
そして複雑怪奇な夢落ちの反復
徐々に明確になってくる真実と虚構
いつしか見てる人間も現実と夢がわからなくなってきて
ここまで夢だと辻褄が合うとか
新しい事実が分かってあぁ違ったとか
とーっても頭を使って楽しめる映画でした
最後にちゃんと解答があるのも親切設定
ペネロペ・クルスの若く純粋な美しさもいいし
もう一人のヒロインの女性もデビットリンチ的な怪しい雰囲気発しててとてもいいです
サスペンス好きなら素人から玄人まで万人にオススメできる映画です
まさに夢のコラボです。
おすすめ度 ★★★★★
背筋にゾゾゾという感覚が走りました
。ファンであれば購入価値は高いかと存じます。
すばらしいものだと感じましたので☆5評価としました。
概要
『オープン・ユア・アイズ』(『Abre Los Ojos』)は、トム・クルーズ主演の『バニラ・スカイ』(2001年)を既に観ている人の多くにデジャ・ヴを感じさせる。実際のところこのハリウッドバージョンは、秀逸なスペイン語版オリジナル作品の、出来の悪いリメイクなのである。両作品のあらすじはほとんど同じであり、ペネロペ・クルスなどは両方で同じ役柄を演じているが、本作品の方がすべてにおいてヨーロッパ的な繊細さと知性を漂わせている。また、両作品を見比べてみると、危機的な運命に巻き込まれた都会的でハンサムなプレイボーイの演技にトム・クルーズが影響を受けていることは間違いなく、エドゥアルド・ノリエガ演じる主人公は、このハリウッドのスーパースターのお手本になっているものと思われる。
自動車事故の後に主人公の人生は完全に暗転し、人を殺してしまったことで悪夢さいなまれて現実と夢の境界も曖昧になり、周囲の人間の態度も一変する。クリストファー・プリーストの小説、特に『The Affirmation』や『魔法』のようにSF的色合いの強い作品であり、人格、記憶、アイデンティティの本質を描いている。アレハンドロ・アメナーバル監督(『アザーズ』ほか)の力強い脚本、音楽、指揮により、『オープン・ユア・アイズ』は精神錯乱的でエロティックだがスタイリッシュな要素を持ったスリラー作品に仕上がっており、回帰的なエンディングシーンによって独特の結末が用意されている。『メメント』に通じるような精神を刺激する映画であり、トム・クルーズ主演で似たタイトルを持つ『アイズ・ワイド・シャット』と混同することなど決してない。(Gary S Dalkin, Amazon.co.uk)