ファンタジーおすすめ度
★★★★★
過去の様々な戦争の記憶が現代にそのままコラージュされ、
その違和感や現実感のなさは平和に入浸る私達に強烈で異質な混乱を感じさせる。
登場人物達の精神の混乱も尋常のないものでページを捲るたびに考えてしまう。
画の迫真性も強烈で、現実感のない強烈な現実が現前する。
ドラマだ。
皮肉にも激烈なドラマが展開する今巻はとても面白い。愉しい。
もはや私達には「ファンタジー」でありゲーム的ですらある。
私は関係ありません。
読者は戦争という「おあそび」を高みの見物する。
その視点は名取の言う「敵」だ。
いや彼等すら見物する私達はもう「神」であり「神」も名取には「敵」だろう。
しかし名取は「敵」の御膳立てのおかげで愉しむことができた。
「敵」は「神」であり私達の存在を立証してくれるもの。
本当の俯瞰を決め込む私達は「真の敵」である。ラスボス。
名取はラスボスを倒しに来る。
まず恐れずに、しっかり考える。
マザーファッカーおすすめ度
★★★★★
機動旅団八福神第七巻。
今までの馴染みのない風景で進んでいた物語が舞台を京都に移すことで一気に緊張感を増し、そしてまた逆に見慣れた街並みで起こる戦闘にとてつもない「ファンタジー」を感じさせます。それは物語中の街の人たちも皆、実際に起こっている戦闘になんのリアルも感じないまま戦闘に巻き込まれて死んだりします。これは現代人の、特に現在の日本人の戦争感を浮き彫りにしています。
毎日放送が主導で行ってきたプロパガンダ的な、しょうもない戦争感をうたった作品よりも、この作品の方がリアルな戦争を見せてくれます。
画力も文句なし。メカデザインもキャラクターデザインも全然媚びていません。
読むべきシリーズです。
はっきりいって、すさまじい出来です。
おすすめ度 ★★★★★
出来は非常に良いです。これは買わねばならないでしょう!
こつこつお金を貯めてでも買う価値のある一品だと思います!