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戦艦大和ノ最期 (講談社文芸文庫)

吉田 満
おすすめ度:★★★★★
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「決定稿」であるが「完全版」ではない
おすすめ度 ★★★★☆

本作品が、日本民族の一大叙事詩であることには異存無い。
しかし、現在の「決定稿」は戦後GHQの検閲により「変貌」した改稿版である。
改稿の詳細は割愛させて頂くが、昭和21年の「初稿」のままの出版を望む。



こころのふるさと
おすすめ度 ★★★★★

この本の一部をここに抜書きしました。なお原文は平仮名ではなくカタカナです。

通信士太田少尉「ハンモック」に附し、声を忍んで嗚咽す 肩を揺すれば一葉の紙片を差出す 彼、「キャリフォルニヤ」出身の二世なり 慶応大学に留学中、学徒兵として召されたるも、弟二人は米軍の陸軍兵として欧州戦線に活躍中という 醇朴の好青年にして、勤務精励、特に米軍緊急信号の捕捉は彼が独壇場なり 
されど二世出身の故を持って少壮の現役仕官より白眼視され、衆人環視のうちに罵倒されしことも一再ならず 深夜、当直巡回中、甲板上に佇み物思い耽る人影を見しはかかる折なり 
便箋に優しき女文字にて誌す 「お元気ですか 私たちも元気で過ごしてゐます ただ職務にベストを尽くして下さい そして、一しょに、平和の日を祈りませう」
待望の母上の手紙なるべし 家族よりの便りを手にしばしば欣喜雀躍する戦友のうちに、ただ一人かつてこの歓びを知らざりし彼 故郷を敵国にもちたる者の不運として、諦めいたる彼
僅かに中立国「スイス」を通じて通信の途残されたるも、最後に、死の出撃の寸前に、この機会の到来したるなり
字数の制限の故か、文面あまりに簡潔 あまりに直截
「一しょに、平和の日を祈りましょう」万感籠めたるこの一句は、今しも米語の暗号解読より解放されしばかりの彼が肺腑を完膚なきまでに抉りたるべし
母上が心遣りの、痛きまでに真実なるよ
われ言葉もなく「ハンモック」に上がる

戦艦大和の最期は、もう、20年以上前に読んだ私の感動した書物だ。
泣きながら読んだ。
著者の他の書物に、大和の中で映画「オーケストラの少女」を見た、という記述がある。吉田満さんのこころに残ったからこそ、この記述があったのだと思う。後に私は「オーケストラの少女」を見たのだが、素晴らしい映画だった。死にに行く大和の中で敵国の映画もくそもない、娯楽として楽しんだのだ。そしてこの映画は人間の本当に尊いものを伝えているのだ。戦艦大和の最期もこの宇宙のこの世界の一番大切なものを伝えている。



やはり最高の書
おすすめ度 ★★★★★

大和を描いた作品では、やはり最高の書だと思う。事実関係がどうだこうだとの議論はあろうが、そんなことは歴史学者にでも任せておけばよい。私がこの本を読んで感じたのは、その時代に生き、そして戦った者たちの息吹である。最近、大和が映画化され、私の周囲にも感動したという人々がたくさんいたが、本書を大分以前に読んでいた私にとっては、がっかりした作品だった。それだけ本書の影響は大きかった。昭和初期或いは軍隊式?の文体で書かれた本書は読みにくいかもしれないが、その分時代の空気が漂ってくるようである。繰り返すが事実がどうこうではない。本書の一見淡々とした書き方の裏に熱い息吹を感じるのである。



あくまでフィクションとして・・・
おすすめ度 ★★★☆☆

 本書は戦艦大和の最後に関する限りではバイブル的な書であり、戦後、近年まで電測士であった著者の本当のノンフィクション的体験の読み物として広く知れ渡っていた。
 しかし、書中の大和沈没後、駆逐艦救助艇の乗員が船べりに取りすがる溺者の腕を切るかのごとくの表現等があり、駆逐艦関係者との軋轢等が問題となり、フィクションかノンフィクションかが争点となった。実際、生前の吉田満氏に関係者が詰め寄ったところ誇大表現であり、真実でなかったことが判明した。吉田氏も本書は「あくまでもフィクションとしての小説なのだ。」と語ったといわれる。
 私自身、本書に書かれた内容を忠実に受けとめていましたが、この話を聞いて勇ましい戦記が色あせ、少々ガッカリしました。



迫真の真実の描写
おすすめ度 ★★★★★

 この本のことについては、私は、様々な本のレビューで、この本を読まなくては太平洋戦争とか、帝国海軍とか、特攻とかは理解できないというコメントを加えてきた。
 最初に読んだのは、中学校の時で、プラモデル少年であった小生は、「戦艦大和」に単純にあこがれていた。ところが、伊藤正徳氏の「連合艦隊の最期」を読んだところで、そう簡単な話ではないと思い、図書館でこの本を読んだ。何度も何度も読んだ。そして、自分の父親とほとんど同じ世代の日本人たちが、様々な思いを旨に、「戦争」と向き合っていたことを知った。
 戦争は漫画や映画のようにカッコいいものではなく、悲惨で、苦痛で、残酷であることを示している。
 他方、吉田氏は、この体験を出来るだけ正確に再現するにとどめ、「反戦」とか「戦争は誤りである」とまでは言っていない。現場にいた人間の見たこと聞いたことを述べるにとどまっている。
 この本の評価については、様々な意見があるが、私は、まずは事実の記録として第一次資料として考えるべきだと思う。この本のほかにもさまざまな戦争体験を語った本がありそれらをも総合して、しかる後に、「戦争」をどうとらえるか考えるべきだと思う。



はっきりいって、すさまじい出来です。
おすすめ度 ★★★★★

とても面白いじゃないですか 。とにかくこれは絶対買いだ!
すばらしいものだと感じましたので☆5評価としました。



戦艦大和 動画

戦艦大和



城田優 戦艦大和 ブラッド・ピット