ヒントを生かすおすすめ度
★★★★★
本書は、読者に新鮮な視点を提示する「考えるヒント」、
それより、もう少し軽い感じの「四季」、
最後にソヴィエト紀行の三部で構成されています。
江藤淳の解説に
「読むほどに、かつてないようなかたちで、精神が躍動しはじめるのを感じておどろくにちがいない」
とあります。言い得て妙だと思います。
なるほど、この本で提示されているのは「物事を考え抜いた上で捕らえた視点」。
その視点から物事を眺めれば、どんなことでも新鮮に映ります。
粋で清冽な人柄を感じさせる文体に引き込まれます。
今でもこの巨人を崇拝する知識人が多いのも納得できます。
読んだことがない人はもちろん、受験時代に読んでしまった人も再読することで
得ることが多い、おすすめの作品です。
堀江謙一の「太平洋ひとりぼっち」と岡潔の「春宵十話」が取り上げられているのが
個人的にはうれしかった。
俗中の真おすすめ度
★★★★★
最近、「新・考えるヒント」という本が出て、改めて注目されたのも記憶に新しい。そちらも読んだが、文章の風格という点で、やはり本家には及ばない。その中でも引用されている語句を用いて言えば、晶子女史の批評精神は患者側ではなく、医者側のものである。小林は近代の毒を若いころに飲んでいる。晶子女史もまったくのオリジナルの著作のほうが私はいいと思う。小林に惚れているのはよくわかるのだけれど。
小林のものは、文体は平易でさりげなく書かれているが、実は深い文明批評集になっている。どれもいいが、特にプラトンやヒトラーを扱った文章は秀逸。小林の発想は公式的思想からされていないから、いつ読んでも新鮮である。言わば、ここでは文体が思考している。すぐ古びるような固定観念が押しつけられた文章ではない。契沖の言う「俗中の真」を具現化したのが、この「考えるヒント」である。たとえば、「人を笑うのだけが笑いではない。子供ならみんな知っている。生きるのが楽しい、絶対的な笑いもある。いよいよ増大する批評的笑いの不安と痙攣との中で、この笑いを、恢復しようとしたのが、ディズニーの創作であった」(「漫画」)という一節。小林以外の誰が日本人として、いち早く、ディズニーの本質をこれほど的確にとらええただろうか。
活字を新装版で大きくしたのだが、余白とのバランスはいまいち。読みやすさとは活字の大小だけで決まるのではない、ということを配慮してほしいと感じた。
極めて読み易いおすすめ度
★★★★★
小林秀雄の文章は受験問題や教科書に出てきて
難解という印象があります。
また文庫本の場合、活字が読みにくいという傾向があります。
(版がふるいため)
常識、平家物語など極めて内容が深いです。
改訂版のため活字が大きく読み易いです
細部まで妥協なし
おすすめ度 ★★★★★
これが発売されるのを心待ちにしていました
。これは買わねばならないでしょう!
ホント満点を付けても良い出来です。