ちょっと新鮮な不倫小説おすすめ度
★★★☆☆
20代の花織は、出版社で働くしっかり落ち着いた女の子。
新雑誌創刊室の事務的な仕事を一手ににない、プライベートではハンサムな
エリート男性との婚約が整い、公私共に充実した日々を送っていた。
しかし、本当の幸福を、まだ、手に入れてはいなかった・・・
恋人の浮気をしり、婚約破棄、仕事にのめりこむ彼女を優しく見守る
一回り年上の編集長の優しいまなざしに気づくまでは、本当の
愛を知らなかったのだ…
妻子ある編集長と、臆病になりながらもおちていく不倫の恋を
描いたおとなの恋愛小説。
ふつう、不倫小説に出てくる大人の男性は、女性慣れしていて
あっさり割り切った関係に慣れてふてぶてしくなっていくものだが、
どこかいつも不器用な編集長のキャラは新鮮。ヒロインも「あなたと
たまに会えればいいの」とけなげなことを言うだけの
都合のいい女にならないで、自分なりに葛藤したり
失敗したり、という生身っぽさが、ドロドロしそうな設定を
あっけらかんと現代風に洗練させている。
しかし、後半のメロドラマ的展開はちょっとありがちかな。
というわけで星の数は押さえ気味に。
出版社の雑誌創刊時のばたばたとか予算がどうした、
みたいなあたりがやたらリアルだったので、お仕事ものとして
意外と面白く読めた、という一面もあった。
はっきりいって、すさまじい出来です。
おすすめ度 ★★★★★
出来は非常に良いです。これを知らずして新しい時代のエンターテイメントは語れません。
ホント満点を付けても良い出来です。