共感はできないおすすめ度
★★★☆☆
一回りも年上の女性との恋愛。しかも女性には家庭がある。お互いいけないとは
分かっていても、突き進まずにはいられない・・・。
もし裕里子と同じ年代のときに読んだのなら、共感する部分もあったかもしれない。
だが、俊介と同じ年頃の息子を持つ立場で読んだ今は、もう少し裕里子に自制心が
あったのなら・・・と思ってしまう。そういう意味では微妙な内容だった。先妻との
縁が切れない夫や、嫌味な姑、反抗を続ける義理の息子・・・。そういう家庭の中、
自分の居場所がないと感じる裕里子に同情できる部分もあるのだが、卒業間近で
就職先も決まっていた若者の人生を狂わせてしまったという思いは否めない。二人の
恋愛にはどうしても共感はできなかった。
怠惰な生き方でしたおすすめ度
★★★☆☆
年上の人妻と恋愛に夢中になり、将来への希望を捨てて二人での新しい生活。話としては、熱烈な愛が人生を台無しにすることもありえるということだと解釈しました。
全体として時代背景に矛盾点が多々あったり、家庭内の愚かな父親像、主人公の頭の悪さ、幼稚さ、決断力のなさなど、自立していない人間が描写されて、いらいらする所が多々ありました。解説では、リアリズムを感じたと言っていましたが、こんな愚かな人間が蔓延っているのが世の中であり、リアリズムの追求すると愚かさの描写が不可欠なのかな?などと思ったりしました。しかし、全部読み返してみて気分の良い小説ではなかったです。主人公はもっと自分を大事にすべきだし、相手への依存が強くてうざったく感じてしまいました。
身に覚えのない恋愛おすすめ度
★★★☆☆
「一九九八年九月一日、札幌家庭裁判所に一通の「失踪宣告申立書」が提出された。」
人妻と学生のひたむきな恋愛を描く物語。
本書の解説の中で、佐藤正午氏は、本作品のリアリズムについて語っていたが、僕は本書にそうしたリアリズムを感じとることはできなかった。
90年代の事象をいろいろとちりばめて、ディテールを細かく描写することで「それらしく」見せてはいるが、内容は若奥様と書生さんの不倫逃避行で、伝統的なテーマの焼き直し。今ひとつピンと来ない。共感できない。
恋を選ぶか、夢や安定した生活を選ぶか、という主人公の葛藤については、うまく描かれていると思うが、結局恋を選んだ理由はよく伝わってこない。また、工藤さんの存在や元恋人の賀恵などは、本書のテーマに堂関係するのかも分からない。消化不良の印象。
結局「恋愛万歳!」の小説。ただ、裕里子の義理の息子・正太くんの物語は楽しめた。彼を主人公にした小説の方が面白そうだ。
良い出来でした
おすすめ度 ★★★★★
大変良く出来ています
。TOP100ランキングに入っているのでご存知の方も多いと思いますが、
買って良かったと思います。