後半は泣けて泣けて仕方なかった。主人公への共感や切なさの共有はきっと、自分自身のノスタルジー。こんな読後感は始めてだ。同等もしくはそれ以上の感動を期待すると、他の作品を手にする勇気がなくなってしまう。
人の心を引き込む力のある作品おすすめ度
★★★★★
序盤は誰が主人公かが曖昧な実にリアルな小学校低学年の人間模様。
後に絡んでくる小さな登場人物たちが、誰しも経験したことのある懐かしい記憶を呼び起こさせます。
準子と河村の本当にあっという間で、それでいて果てしなく長い恋。
欲情と愛情と若さが溢れんばかりに詰まった作品です。
これ程の長編にもかかわらず一気に読んでしまえる力がこの本にはあります。
忘れられない恋の記憶を持つ人にも、そんな恋に焦がれる人にも。おすすめ度
★★★★☆
恋愛小説を読むたびに、自分の年齢を強く意識する。
自分はまだこの主人公のように、瑞々しく恋ができるかと。
少女の恋は14歳だった。男の恋は23歳だった。
美しいばかりの恋ではない。だが、それが恋ゆえに美しかった。
否定しながら肯定する。
疑いながら願い続ける。
恋を、運命を、人間を。
一筋縄ではいなかない。でも愛にあふれた小説だ。
きっとひとりひとり、小説の中にいる自分を見るはず。
「人間」がしっかりと描かれている稀有なエンターテイメントおすすめ度
★★★★★
いやぁ、すごい。
正直申し上げて、この作家さんの作品は、敬遠していました。いくつか読んだ初期作品は、とても個性的で魅力があるものの、自分の肌には合わないと感じたので。
評判がいいので、おそるおそる読んでみました。やはり、肌は合いませんでした。
それでも。「肌が合わない」なんてことは、この作品を読むうえで関係ありません。圧倒されました。人間の恐ろしさを、人生のままならなさを、渾身の筆で綴っていて、読後は「あぁ、小説を読んだ!」という充実感に包まれました。
でも、精神状態がすぐれないときに読むことは、おすすめしません。それだけパワフルな作品です。
良い出来でした
おすすめ度 ★★★★★
全般的に言うと初心者向けだと思います
。これを知らずして新しい時代のエンターテイメントは語れません。
ホント満点を付けても良い出来です。