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ラブ・レター~パイランより~

ソン・ヘソン
おすすめ度:★★★★★
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パイランの歌声と朗読に泣く
おすすめ度 ★★★★★

原作である浅田次郎さんの「ラブ・レター」を読みましたが、主役2人の境遇などの土台に関しては忠実に映画化されていますが、結末のみ若干の脚色が加えられているようです。両者とも、荒んだ中年男性がかつての偽装結婚相手の自分への想い・境遇を知り、自分の人生を見つめ直してゆく過程が心に染みわたってくる秀作です。何といっても、見ず知らずの結婚相手が自分を心の支えに懸命に生きようとしていたことを、彼女の形見の手紙を通して知るという設定が悲しい…。

主演のチェ・ミンシクさんは、「オールド・ボーイ」で見せた暴力的な復讐鬼から「春が来れば」の穏やかな教師役までこなすカメレオン俳優として有名です。本作ではレンタルビデオ店経営のしがないチンピラ中年男を演じていますが、このようなアウトロー的な役どころは既に彼の十八番といっても良いでしょう。セシリア・チャンさんは、一度もあったこともない偽装結婚相手を想いながら懸命に生きる中国人女性を好演しています。彼女のきりりとした顔立ちは快活な女性役が似合うのでしょうが、個人的には本作や「忘れえぬ想い」の中で見せるような、孤独な境遇にもめげずにひたむきに生きようとする幸薄き女性を演じる姿に惹かれます。



主演二人の演技に感嘆
おすすめ度 ★★★★☆

 社会の最底辺で暮らすやくざ者の中年男が
実際には一度も会わなかった女性の喪失を通して
少しずつ自分の人生を見直し変容していく姿を
チェ・ミンシクが見事に演じ切っています。

 冒頭の下品で低俗な性質をむき出しにした締まりのない顔つきから
次第に苦味と哀しみを湛えた端正な表情に変化していく演技が
実に緻密で真に迫っており
多少の設定上の破綻や突飛さを粉砕する説得力を持っています。
特に背広姿のまま海辺で嗚咽するシーンは、
表面的には急ごしらえの扮装に過ぎませんが
主人公が内面から本当に全うな人間に立ち戻って涙を流している事実を
全身で体現する感動的な場面です。

ヒロインを演じた香港女優セシリア・チャンの清楚さ、初々しさも出色で
化粧気のなさが逆に清純な美貌を引き立て、
主人公が知らずに失った犠牲の尊さ、痛ましさを強調しています。

 原作のヒロインが風俗嬢として働く設定が
韓国の価値観を反映してか洗濯婦に変えられていますが、
荒み切った主人公の心を彼女が洗い清めていく展開にも合致しており
原作小説に描かれた暗い現実感は殺がれるにせよ
物語としては好ましい改変だと感じました。
 本作では男性側の状況が原作より苛酷なものになっているので
女性側の環境は代わりに原作より救いのあるものに変えた方が
印象上のバランスが取れて良いとも思いました。
特に仕事を始めたばかりの彼女が洗濯物を大量に干す場面は
洗い立ての布地の清新さと彼女の笑顔の爽やかさもあいまって
劇中でも最も鮮烈な記憶に残る場面の一つです。
 主人公が生きるソウルの荒廃した裏町の風景、
ヒロインの住む田舎の自然風景の対比もここではなされています。

 現実的には徹底した交流不在の上に成り立つ二人の心情は
一般的な定義での恋愛には当てはまらないとも言えるし
嘘っぽさや白々しさを覚える人もいると思いますが
相手の存在に生きる意欲や意義を見出す一点において
これもまた愛だと感じました。



貴重な親日国も大切に
おすすめ度 ★★★★★

【中央日報・韓国人意識調査】
最も嫌いな国
1位日本(55%)
2位北朝鮮(15%)
(中央日報2006年9月22日)

【読売新聞・韓国日報「日韓共同世論調査」】
日本に良い印象を持っている
17%
悪い印象を持っている
82%
(読売新聞2006年8月7日)

【台湾紙「遠見」の台湾人世論調査】
全4質問のうち「移民したい国」「立派だと思う国」「旅行したい国」で日本が1位
「留学したい国」で2位
(毎日新聞2006年6月30日)

日本の旧植民地という、立場はまったく同じなのに、この違いは何なんだろう?



ピュアな気持ち
おすすめ度 ★★★★★

原作は知っていた(といってもかなり前に読んだので殆ど忘れかけていましたが)
ので、あまり感動しないかなぁ〜と思っていたのですが、違っていました。

人を好きになるって、とても純粋ですね。
きっかけって人それぞれで、幸せの尺度もみんな違う。
偽装結婚してくれたことが最大の優しさだなんて、あまりに可哀想過ぎる。でも、実話がモチーフなんです。このお話。

浅田さんの原作を活かして、ちょっとお話が変更されていましたが、主人公の手紙を読むシーンで号泣してしまいました。

ラストの終わり方が哀しすぎるのですが、それでもピュアなラブストーリーとしてお薦めの作品です。



悲しい切ない愛
おすすめ度 ★★★★★

主演2人がとにかく素晴らしい演技をしてくれています。くたびれた主人公の中年男をチェ・ミンシクが好演。けなげなヒロイン役をセシリア・チャンが今時、こんな純粋な子がいるんだろうかというような素晴らしい演技を披露しています。ネタバレになるのであまり言いませんが観る者の心を揺さぶらせずにはおかない映画だと思います。





良い出来でした
おすすめ度 ★★★★★

はっきりいって、すさまじい出来です 。これは買わねばならないでしょう!
すばらしいものだと感じましたので☆5評価としました。



概要
中井貴一主演で日本でも映画化された浅田次郎の短編小説「ラブ・レター」を、舞台を韓国に移して映画化。主演は『シュリ』で日本でも知名度の高いチェ・ミンシク。
うだつの上がらないチンピラのイ・ガンジェ(チェ・ミンシク)のもとに、妻が死んだという訃報が。結婚した覚えのないガンジェだったが、その女性は金のために偽装結婚した書類上の妻パイラン(セシリア・チャン)だった。パイランの顔も思い出せないガンジェだったが、遺体を引き取りに彼女が暮らした街へと赴く。そこにはパイランがしたためたガンジェ宛ての手紙が遺されていた。
一度しか会ったことのない女性の生きてきた日々をたどるうち、想いがあふれ出る“出会わないラブストーリー”。この原作の設定を最大限に生かし、チェ・ミンシク、セシリア・チャンが見事な演技で涙なくしては見られない傑作に仕上げた。監督のソン・ヘソンは本作で青龍映画賞監督賞を受賞している。(茂木直美)

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