主人公はこの「曲」おすすめ度
★★★★★
ナチによるユダヤ人弾圧の嵐が吹き荒れた第二次大戦中、「自殺の聖歌」という別名で大ヒットした名曲「暗い日曜日」が誕生したいきさつと曲の伝えるメッセージを、男女三人の織り成す恋愛関係とからめて描いた、芸術性高い美しく哀しい物語です。
暗い日曜日という曲の持つ、あやしいまでの哀愁に満ちた旋律はまるで誰かが悲しみにむせび泣いているかのように私には聞こえました。映画の中でも、「不思議な曲だ。耳元で聞きたくないことを言われているような気がしてくる。」いう台詞がありましたが、この曲の持つ、人の心の奥底に埋もれている痛みや悲しみを否応なく引き出してくる魔力が、あの暗い絶望的な時代に多くの自殺者を生んだのかもしれません。 物語は、この曲に関するミステリーの他にも、奇妙な三角関係を維持していく男女とナチの将校との交流と裏切り、悲劇と復讐などが盛り込まれ、飽きないストーリー展開となっていて、非常によくできています。東欧の美しい町並みや風景が好きで、音楽が好きな方にとっては特に満足できる作品の一つでしょう。ラストにはちょっとしたオチもあり、私にはいい意味で衝撃的でした。
アンドラーシュを演じていたのが、「カストラート」の歌手役の方だったのも嬉しかったです。それにつけても「暗い日曜日」のピアノ譜欲しいです。
ヨーロッパの名作おすすめ度
★★★★★
暗い日曜日の曲はシンドラーのリストの冒頭シーンや他いろいろ使用されていましたが、当時は曲名が分からず聴いたら悲しく切ないメロディで魅力のある曲だと思いました。この曲を聴いてナチの将校も多く自殺したらしいです。映画の方もフィクションではありますが実話も元に作られておりキャストも素晴らしいです。特にエリカ・マロジャーンは見た瞬間に魅了されるくらい美人です。登場人物、背景といい絶対ハリウッドでは出せない映像です。当時の切ないくて悲しいヨーロッパを味わいたい方にはお薦めです。
正統派メロドラマの秀作おすすめ度
★★★★★
よくできた作品。映像は美しく、ヨーロッパの町の感じがよく出ており、時代の雰囲気もなかなか見事です。また、何よりも音楽がすばらしい。脚本もよく練れているので、正統派のメロドラマが正面切って演じられるのですが、べたべたしないで最後まで楽しめます。主演女優のエリカ・マロジャーンは、古典的な顔立ちの美人。この時代設定の当時としてはかなり進んだ考え方であろう、自由な女の役どころですが、周りの男性が振り回されているのを承知しながら、やはり自分の感性に正直に、なおかつ自分なりの筋を通して生きていくその姿が、なんとも魅力的。この女性をめぐる三人の男、それぞれが個性のある役どころ、とくに、ヨアヒム・クロルがいい。大見得を切った、大メロドラマに近い感覚なので、今の感性からすれば、少々大時代がかかった感はありますが、ヨーロッパの感覚ですね、これは。登場人物のキャラクターが、デリケートな演出によって表現され、人間の複雑さ、なんとも知れない奥行きが描かれているので、こういったデリカシー、ハリウッド映画にはないですね。ですから、ドラマが少々大時代でも幼稚にはならないし、見ごたえがあります。これはやはりお勧めです。
音楽が良いおすすめ度
★★★★★
音楽がとても良いです。『暗い日曜日』や、この曲の様々なアレンジバージョンも良いのですが、私はもうひとつのメインテーマとして使われている『アンドラーシュのピアノ』も気に入っています。
キャストは日本ではあまり知られていない人たちですが、主要キャラクター4人はみんなそれぞれのイメージに合っていると思います。イロナ役のエリカ・マロジャーンがとってもきれいで独特の雰囲気を醸し出しています。
細部まで妥協なし
おすすめ度 ★★★★★
大変良く出来ています
。これを知らずして新しい時代のエンターテイメントは語れません。
すばらしいものだと感じましたので☆5評価としました。