「エリザベート」の”死”は 永遠の命?おすすめ度
★★★★★
小説としての本書は、宝塚歌劇の演出家 小池修一郎氏によるもので、
華やかな舞台が どのように二次元に描かれているか大変興味を持ちました。
危惧の一分の隙もなく、使われている語彙が著す美しい響き、
漢字から受ける重厚なイメージが深く広く膨らみ、
舞台を観たことがない方でも三次元の世界へ入りこめます。
また「あとがき」にある、
『各民族 少なくともハンガリーとの共存共栄を目指した皇后は
生前理解されなかったが、百年後見事にその役割を果たしていると言える』という件は
史実としての重さと、 今 舞台により蘇り、
日本でも 別な意味での”命”が息づいていることを感じさせ、影響力の大きさに感嘆します。
ちなみに宝塚版はオリジナリティをだす為、
ウィーンスタッフと相談の上 男役=トートが主役になるよう物語展開を微調整し、
彼中心のテーマ曲「愛と死の輪舞」を新曲として追加した。
好評を得た為、後のハンガリーでの上演は なんと宝塚版だったそう。
愛と死の輪舞おすすめ度
★★★★★
20年以上も前にウィーンで大ヒットを記録し、今でも再演を重ねられて高い人気を誇るミヒャエル=クエンツェ氏作のミュージカル「エリザベート」。宝塚での翻訳版の舞台を同劇団の演出家・小池修一郎氏が小説化されたものです。
舞台は死者の煉獄―イタリア人テロリスト・ルイジ=ルキーニが皇后暗殺の尋問をうけていた。栄華を誇るハプスブルク帝国が蘇り、死者の魂が語り始める…オーストリア=ハンガリー皇后エリザベートの生涯を。
その中心にいるのは黄泉の世界の帝王トート、“死”。彼は彼女を愛していたと告げる。
愛に目覚めてしまった黄泉の帝王 トート
自由を求める孤独な皇后 エリザベート
思慮深く誠実 国を愛し妻を愛した皇帝 フランツ
様々な人物、様々な思いが交錯する。
エリザベートの愛の行方は…?彼女が最後に求めたものとは…。
愛と死―とても壮大なテーマをもった作品です。
エリザベートの、トートの、繊細かつ複雑な感情が細かく描かれているので、舞台で読みとれなかった深い部分を理解できます。
観劇された方は台詞やメロディーを思い浮かべながら楽しめますし、この作品に初めて触れる方も面白く読むことが出来ると思います。
さくさく読めます。おすすめ度
★★★★☆
セリフも少なく年代や説明の多い歴史小説かなと思ったのですが、
全くの逆で、肩の凝らない舞台小説で、さくさく読めます。
私も舞台を初めて観たとき、トートとエリザベートの恋愛関係が
イマイチ理解が出来なかったのですが、小説の中で背後関係とか、
劇では表現できない心の内なるセリフ(特にトートダンサーの心の内などは
舞台では全く無視されているので興味深い)を読む事によって、
そうだったのか!と納得する事が出来ました。
それもそのはず、舞台を手がけた小池 修一郎氏が訳してるのですものね・・・
観てから読むと、セリフが全てメロディーに乗って読めるので、楽しいし、
読んでから観れば、小説の中の登場人物が実体となって動き歌う姿を観れるので、楽しいと思います。
勿論、舞台を観る予定のない人にも、娯楽小説として、楽しく読めますよ!
凄く素敵!!おすすめ度
★★★★★
エリザベートの人生って、女性としては凄く羨ましいです。
激しい愛と権力の間で激動の人生を送るなんて、世の女性が少なからず
憧れを抱くお話ではないでしょうか。(しかも実話。)
また、この本には宝塚公演のエリザベートの写真がたくさん
載っているので感情移入しやすいです。(一路真輝さん、カッコイイですね。)オススメですよ!
舞台を見る予習としても可おすすめ度
★★★★★
舞台だと細かい部分が少し分からないこともありますが、
この本を読むと、それが分かってより舞台を楽しむことができます。
人物一人一人の心情もよく描かれていて面白かったです。
素晴らしい出来栄え
おすすめ度 ★★★★★
背筋にゾゾゾという感覚が走りました
。これを知らずして新しい時代のエンターテイメントは語れません。
感動やドキドキ感を手元に置いて、私同様に何時でも手に取って思い返して頂きたいと願います。