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+ そこでゆっくりと死んでいきたい気持をそそる場所 +

そこでゆっくりと死んでいきたい気持をそそる場所

松浦 寿輝
おすすめ度:★★★★★
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現実と虚構の混濁、夢とうつつの往復
おすすめ度 ★★★☆☆

 今回の短編集の中では「虻」にやられた。眠るときの姿勢。仰向き、横向き、俯せ、どれもしっくりこなくて繰り返す。この「不自由」を意識しだすと、人は眠られなくなる。なぜなら眠りとは死のシミュレーションだから。眠りに落ちる瞬間は死と一緒で自覚出来ない。「不自由」な姿勢のまま意識がなくなることの恐怖がそこには潜在し、「不自由」を意識すればするほど眠ることが出来ないという呪縛。この、なんでもないような挿話が松浦寿輝の世界を象徴している。現実と虚構の混濁、夢とうつつの往復。
 ただ、今回の短編集は好き嫌いが分かれるだろう。小説世界として虚構性が完結するのではなく、“作者”がこれまでになく介在してくるというポストモダン的な作品集となっている。同時期に記された「あやめ 鰈 ひかがみ」「半島」とはまったく違った方法論であり、ある意味、一見(いちげん)ではなく松浦ワールドに魅せられた常連に向けたサービスとも、あるいはまったく逆に著者本人の愉楽、ペダントリー、自己愛とも受け取れる。
 著者所有のフィリップ・モーリッツの銅版画をフィーチャーした装丁が松浦寿輝の世界とマッチして、とても良い仕上がりである。



作者ならではの短編
おすすめ度 ★★★★★

松浦寿輝は長編もいいが短編がはるかにいい。
長編は松浦の世界にはまり込みすぎるので、後の回復がしんどい。
短編は余韻を味わう余裕を持てる。
作者は今回の作品でも過去の作品と似たムードながら、小説の
面白さを引き出そうといろんな努力をしている。「幽(かすか)」
「花腐し」などを読まれた方には、まず本書の書名をゆっくり
眺めてから楽しんで頂きたい。最初の物語に出てくる銅版画は
文字だけでもぞくぞくとしてくる。



すばらしい
おすすめ度 ★★★★★

わたくしめもついに買いましたよ 。TOP100ランキングに入っているのでご存知の方も多いと思いますが、
ご参考になれば幸いです。大変お勧めですよ!!



松浦寿輝 動画

松浦寿輝



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