キューブリックの名作がデジタルリマスターを施してボックスで登場。「2001年」は従来盤より鮮やかな画像になった。特典映像のアーサー・C・クラークのスピーチは無くなったが、問題にする程では無い。「時計仕掛けのオレンジ」「フルメタル・ジャケット」などは音声が5.1サラウンドになり、大満足。問題は「シャイニング」が短いコンチネンタル版になった事。それ以外は、満足できる良いセットです。
感性の宇宙が掌におすすめ度
★★★★★
感じてください。 これらの作品は論じるものではありません。 観る者と、キューブリックの感性とがぶつかり合って、そこから何を見出すかはあなた次第です。 ここに収められた作品は、全て、これに耐えるものばかりです。 惜しむらくは、「博士の異常な愛情」が抜けていることです。
この作品をこのコレクションに追加すれば、あなたは、キューブリックの世界から逃れることはもはや不可能です。 これほど多彩な作品を後世に残した監督がどれほどいるでしょうか。 凡庸な我々が分類したジャンルで分ければ、このコレクションの作品は一つとして同じジャンルにはくくれません。
そして、そのどれもがそれぞれのジャンルで一つの金字塔をうち立てていると言ってもいいでしょう。 映画を観ることは消費行動のひとつに過ぎないと思っているあなた。 そんな思いを打ち砕く映像が、このボックスにはぎっしりと詰まっています。 立て続けに観て打ちのめされないよう、ゆっくりと一本ずつ鑑賞しましょう。
巨星堕つおすすめ度
★★★★★
スタンリー・キューブリックは大ヒット作は無いが、映画の歴史に名を残す作品を数多く残している名匠である。 ”2001年宇宙の旅”だけが一人歩きをしている感は否めないが、”フルメタルジャケット”や”時計じかけのオレンジ”のように、何十年の時も経た今見ても、その独創性・芸術性は他の追随を許さないものである。
あえて”ロリータ”や”博士の異常な愛情”など物議を醸す作品を撮りながら、その一方で”バリー・リンドン”のような美しい映画を残している。 どの作品を見ても、カメラマン出身のこだわりがいろいろなカットに現れている。 同じ題材を2度と扱わないという点においても、映像作家としてのこだわりも感じる。
DVDの鮮明な画面を通すことで初めて、キューブリックが描いていた映像をスクリーン上で実現出来るのだ。 巨匠は世界に数多くいるが、駄作が一つも無いのは、キューブリックただ一人であろう。 題材・ストーリー・映像・音楽・主張、全ての点において 全ての作品に文句のつけようが無い。
強いてあげれば、”アイズ・ワイド・シャット”が遺作というのは有吉佐和子っぽくていただけないのだが。 20年前と変わらないのだが、尊敬する人の名前を聞かれたら、躊躇無く”スタンリー・キューブリック”というであろう。
素晴らしい出来栄え
おすすめ度 ★★★★★
大変良く出来ています
。従来の伝統を引き継ぎつつ、バランスがうまくとれてます。
こつこつお金を貯めてでも買う価値のある一品だと思います!
概要
『シャイニング』、『時計じかけのオレンジ』、『2001年宇宙の旅』など7作品に、キューブリックの人生を垣間見られるドキュメンタリーフィルム『STANLEY KUBRICK:A LIFE IN PICTURES』をプラス。計8作品を収めた、ファンならよだれもののボックスセットである。
心理的にこれほど怖く迫った映画はないだろうと語り継がれる『シャイニング』。ジャック・ニコルソン演じる狂人と化したジャックが、雪の迷路で息子を追いかけるシーンは、一度観たら忘れられない恐ろしさである。また、人類の誕生から超人への進化までを描いた『2001年宇宙の旅』は、SF映画の金字塔として、やはり残り続ける名作だ。
恋愛、スリラー、SF。どのジャンルの作品にも、キューブリックならではの独特のフィロソフィと魅力が詰まっており、観る者を引きつける。(中山めぐみ)