幻燈の世界をぬけておすすめ度
★★★★★
勝川さんの漫画は、何故か懐かしい、新刊なのに、古本屋の棚に置かれてあるような不思議な時間を感じる。つい先日買ったばかりなのに、遠い昔に買って本棚にしまい忘れていたような錯覚も感じる。しかし、そこに描かれている世界は、何故か自分が子供の頃に体験したような新鮮な感情が瑞々しく描かれてある。自分の体験のようだ。それはお気に入りの町の、落ち着いた喫茶店の書棚にも置かれてありそうな小さな一冊だ。昼下がりの時間にのんびりと読みたいそんな1冊でもある。今の若い世代には記憶がないかもしれないが、幻燈機から投影される淡い彩色にも似たそんな物語でもあります。
心がまるくなる漫画おすすめ度
★★★★★
こういう漫画を読めばささくれ立った心も必ず漫画の絵のように丸くまるーくなっていくことでしょう。勝川克志の作品は70年代末の「暗闇ランプ」以来好きですが、多作家ではないのが残念。ファンタジーにしても本書のような昭和30年代にしても、丁寧にほのぼのとしたタッチで描いていますが、それは非常に壊れやすそうな世界でもあります。失いつつある、あるいはもう失ってしまったものかもしれません。そう思いながら絵をながめていると目が潤んでしまいます。
納得の出来
おすすめ度 ★★★★★
背筋にゾゾゾという感覚が走りました
。これは買わねばならないでしょう!
買って良かったと思います。