若干複雑おすすめ度
★★★★☆
丁寧に、キャメロン監督が構築した世界観をしっかりとリスペクトしたつくりになっています。
ただ、やはり複雑な心境になります。あんなに『T2』で必死に阻止した審判の日が結果的にはやはり訪れる、というルーピングが『T3』の発想なんですよね。これじゃあ今回また努力して未来を変えても同じことの繰り返しじゃない？なんて思う「ターミネーターは1と2で完結！」と断固として思う派ならば見なくても良いかも知れません。
ですが、このドラマが『3』と違うのは、ホントに忠実に『T2』の後世界をしっかりと描いているところです。『T2』で出てきたキャラクターが再度クローズアップされていますし、カイル・リースのバックグラウンドなど、『1』のファンも喜びかも知れないストーリーを織り込んでいます。残念なところはサラ・コナー役のレナ・ヘディがリンダ・ハミルトンには足元にも及ばないところです。そもそもリンダのサラはもはや生きる伝説なので比較するのは確かに酷なことだとは思いますが、なぜイギリス人女優がサラ役なのかがちょっと理解できませんし、サラにしては『キレイ』過ぎるような気がします。
あと、ターミネーターの描き方も良いところ悪いところが目立ちます。シュワ氏のターミネーターは一応人間社会に自然と溶け込めるように努力している描写がありますが（サングラスでメカニックな部分がむき出しになった目を隠すなど）、今回のターミネーターは誰に見られてもまったく気にせずジョンに襲い掛かります。人間的要素を排除？と思いつつも、シュワ氏があんなに苦戦した『笑顔』をキャメロンはいともたやすくやってのけてみたり。どうも統一感がないような感じでした。
若干批判っぽいものを多く書いてしまいましたが、ドラマとしては合格な出来栄えであることは間違いありません。ターミネーターを知らない世代でも引き込まれるであろう完成度ですし。ただ、熱烈なシリーズ（1と2のみ）のファンとしてはやはり厳しい視線で見てしまうかも知れませんし、そうなるとやはり「違う」みたいな欠点ばかりに目が行ってしまいます。でも、本当にターミネーターが好きなクリエーターたちが必死に自分たちなりに作っているところや、古いファンを喜ばせたい気持ちは十分に伝わってくるので、私としては合格点を与えます。
T-１，２は良かったけど、３はなあ、と思っていた方に朗報おすすめ度
★★★★★
これぞ真のT-２の続編。サイバーダイン社にスカイネット、ドクターシルバーマンにT-２で死んでしまったスカイネットの生みの親となる筈だったMr.ダイソンの奥さん等、２までの登場人物の全てが役者は違いますが、出演ないし名前が出てきます。副題クロニクル（年代記、物語）から解るようにこの物語の主役はサラコナー（リンダハミルトンからレナへディ）になっています。
音楽もオリジナルの作者ブラッドフィーデルではないようですが、あのダダッ、ダ、ダダンがTERMINATORの文字と共に聞こえてくるので震えてください。
この作品の中には複数のターミネーターが出てきます。ジョンコナーを守る者、殺そうとする者、以外にという意味です。それぞれのターミネーターが目的達成の為人類と同化し、共存しています。勿論目的を達成すれば、相手の人間はターミネートされますけど・・・その内の一体の型番号がT-８８８というところから、あの液体金属で出来たT-１０００（ロバートパトリック）の少し前に製造されたのかなと想像します。骨格はシュワちゃん（T-１０１）の様ですが・・・行動パターンが全く違うんです。私も見習いたいくらい・・・とにかく見てください。T-２までは好きだったとおっしゃる方々には間違いなく受け入れられる作品になっています。
しかもTVシリーズですので、急ぐことのないストーリー展開により、世界観が広がり、更に深みを増していきます。途中から出てくるブライアンオースティングリーン（ビバリーヒルズ青春白書）の役どころも注目です。
役者が違うし、シュワちゃんもいないんじゃなあと思う方もいらっしゃるかもしれませんが、特撮も素晴らしいし、脚本も良く出来ていると思います。あくまでもT-２のその後ですので、シュワちゃんは亡くなっているのですから。（それを回想させる台詞も出てきます）
もしストーリーを忘れてしまったという方は今一度T-２をご覧になることをお勧めします。そして最後の夜のハイウエイのシーンを見てから、このシリーズの第一話のパイロットを見ればピタリと話が繋がっていく筈ですので。
上出来
おすすめ度 ★★★★★
とても面白いじゃないですか
。ファンであれば購入価値は高いかと存じます。
すばらしいものだと感じましたので☆5評価としました。
